鬼滅の刃204話「鬼のいない世界へ」のネタバレと感想・考察を紹介します。(23巻収録予定)
鬼舞辻に鬼にされてしまった炭治郎。
理性を失った炭治郎を残された者たちと人間に戻った禰豆子が必死に抑えます。
カナヲは再び技を使い炭治郎にしのぶの残した人間に戻る薬を打つことに成功しました。
皆の思いが、炭治郎を人間へと戻したのです。
204話の扉絵では珠代だけ逆向きを向いており、これには悲しい理由も・・・
鬼滅の刃204話「鬼のいない世界へ」の内容を見てみましょう。
鬼滅の刃204話のネタバレ
失い勝ち取った未来
最後の戦いから3か月後の蝶屋敷で、炭治郎はさくら花びらの舞い込むベッドの上にいた。
その横に座る禰豆子は、炭治郎に桜が綺麗だと微笑むのだった。
禰豆子が握る炭治郎の手にはまるで老人のようにしわが刻まれている。
上げ下げくらいはできるが、肘から下は触られている感覚もなく、握ることもできないという炭治郎。
戦の中で一度失った腕と右目は、形があるだけで機能はしていないのだという。
自分より禰豆子は大丈夫なのかと聞く炭治郎に禰豆子は笑顔で平気だと答えるが、炭治郎は自分が傷を負わせた人たちへの申し訳なさに、顔を曇らせるのだった。
そんな炭治郎に、炭治郎が人間に戻れてよかったと伝える禰豆子。
蝶屋敷で療養する炭治郎のもとに、愈史郎も先に訪れていた。
もうだめかと誰もが思うほどだった炭治郎だが、愈史郎によればしのぶの薬があったことと最初に噛んだのが一度鬼になり人間に戻った抗体を持つ禰豆子だったことが幸いしたという。
一瞬で太陽を克服し、ギリギリまで自我を保つほどの鬼としての素質があった炭治郎には、薬と禰豆子がそろっていたことで人間に戻ることができたのだと愈史郎は言っていた。
そのことを炭治郎に伝えに来ていた愈史郎の後ろ姿に、死なないでくれと炭治郎は言う。
珠世を覚えていられるのは愈史郎だけだと伝える炭治郎を振り返ることなく、愈史郎は部屋を出て行ったのだった。
一方生き残った柱である冨岡と不死川は鬼殺隊本部にて、最後の柱合会議に出席するのだった。
最後の柱合会議だと新たに当主になった輝利哉は二人に告げ、鬼殺隊を解体すると言った。
そして長きに渡り身命を賭して戦ったことに感謝し、その頭を下げた。
二人は鬼殺隊が在れたのは産屋敷家の尽力があってこそであると言い、冨岡は輝利哉が立派に務めを果たしたことは産屋敷家全ての一族が誇りに思っているだろうと告げる。
その言葉に輝利哉は涙を流すのであった。
炭治郎の下へ元柱である宇随とその三人の嫁が見舞いへと訪れていた。
翌日静養のため家へと帰る炭治郎たちのもとへの見舞いは次々にやってくる。
次に訪れてきたのは、炎柱であった煉獄の弟千寿郎と父槇寿郎だった。
槇寿郎は息子杏寿郎の刀の鍔を炭治郎がつけて戦ってくれたことに礼を述べる。
そこへ加わり刀鍛冶の一族たちと、隠達が病室を訪れるのだった。
未来へ
腹の減った伊之助は、蝶屋敷の厨房へと忍び込む。
調理をするアオイの目を盗みつまみ食いする伊之助に、アオイは盆を差し出しこの盆の上のものは伊之助のためのものであるから、つまみ食いは止めろと窘めた。
盆の上のおにぎりを手にして、伊之助は嬉しそうに微笑むのだった。
炭治郎は庭で桜を見上げるカナヲに声をかける。
その桜は初代花の呼吸の剣士が植え、必勝と名付けられているのだと語るカナヲ。
叶ったことを教えてあげたいというカナヲに炭治郎は傷と目の具合を聞いた
その目はまったく見えないわけではないという。
そして蝶屋敷を訪れた不死川に、カナヲは伊黒の友達であった鏑丸を貰ったのだという。
蝶屋敷の廊下で、禰豆子は不死川と鉢合わせた。
気まずそうな不死川に禰豆子は元気に挨拶をする。
今迄のことや最後の戦いで気絶し共に戦うことのできなかったことを詫びる不死川に禰豆子は自分も2年も眠り続けていたこともあるのだし、眠るのは好きだと伝えた。
禰豆子に弟玄弥の姿を重ねて見た不死川はその頭をなでて元気でと伝え立ち去るのだった。
炭治郎と禰豆子は見舞いへと訪れた鱗滝と冨岡とも再会を果たした。
そして戦で命を落とした全員の墓に花を手向けると、師範の遺骨を背負う善逸と伊之助も連れて自宅のある山へと戻る。
山の麓では禰豆子たちが襲われた日に炭治郎を泊めた三郎と再会し、抱き合って喜んだ。
山の上で炭治郎が家族を埋葬した場所は花が芽吹いていた。
四人は手を合わせると、ずっと使われていなかった家の中を掃除して共に生活していくのであった。
時代は移ろい、景色はすっかり変わっている。
青空の下の時代は現代、沢山のビルが並んでいる。
鬼滅の刃204話の扉絵とタイトルの考察
204話の扉絵には彼岸花を手にした炭治郎と禰豆子、そして命を落としていった隊員たちと珠世が描かれています。
笑顔を浮かべる鬼殺隊員たちは左へと向かって歩いているのですが、しのぶの陰に隠れるようにして描かれた顔の見えない珠世だけは一人右方向に向かっているようです。
珠世は鬼舞辻を倒すために鬼殺隊へ力を貸しましたが、過去鬼になってすぐに家族や人間を喰い殺してしまっています。
その罪を背負ったまま、一人地獄へといったのかもしれないということが示唆されています。
204話のタイトルは「鬼のいない世界へ」です。
鬼舞辻を倒した今、鬼殺隊は解体され前お館様の言葉通り鬼舞辻の作った鬼は全て消滅したようです。
ただ悪い鬼がいなくなったという意味で、良い鬼である愈史郎は存在し続けています。
これは205話以降の展開の大きな伏線になってくるかもしれませんね。
鬼滅の刃204話の名台詞
「ありがとうございます……っ」
両親と姉たちを亡くし最後の鬼殺隊当主としての役目を果たし切った輝利哉のセリフです。
務めを果たしたことを産屋敷一族や先祖たちが誇りに思っているだろうと言った冨岡の言葉に涙を流して礼を述べました。
幼くして当主となり、必死に鬼殺隊を導いた輝利哉の涙は沢山のものを失ってきた長きにわたる戦いの終焉を伝えました。
鬼滅の刃204話の感想・考察まとめ
鬼にされてしまった炭治郎も完全に人間に戻り、多くの犠牲を出してきた戦いがとうとう決着を迎えました。
全ての鬼が消滅して、残ったのは珠世が鬼にした愈史郎と猫の茶々丸だけですね。
主人を失った鏑丸は視力の弱まったカナヲと共に生きていくことになりました。
それぞれが奪われることのない平穏な日常に戻っていきますが、珠世を亡くした愈史郎が心配です。
鬼は基本的に寿命がなく生きるようなので、最後に現代へと時が移ろっても愈史郎と茶々丸だけはまだ生きているのかもしれません。
来世での結婚を約束した蜜璃と伊黒も、もしかしたら生まれ変わって現代で結ばれるかもしれません。
炭治郎たちは四人で生活を始めたようですし、どうかたくさんのものを失った残された者たちが幸せに暮らせることを願うばかりです。
扉絵でその顔を描かれることなく反対方向へ一人歩んでいた珠世の魂の罪も、赦されることを願います。
⇒鬼滅の刃205話
なんかこの扉絵不思議ですよね
影が少ないし、猗窩座っぽい影も見えるし