鬼滅の刃では、キャラクターの役割に併せて羽織や着物の柄に込められている意味が違います。
今回の記事では、特に柄が特徴的な数名のキャラクターの羽織、または着物の柄の名前を一覧で紹介します。
そして、柄ごとに意味も解説し、吾峠先生がなぜその意味をもつ柄にしたのかキャラクターごとに考察していきます。
【鬼滅の刃】キャラクター羽織の柄一覧と隠された意味を徹底考察
炭治郎と禰豆子
炭治郎の羽織と禰豆子の着物の帯の柄名は市松(いちまつ)模様です。
柄に込められた意味は「子孫繁栄や資産拡大」です。市松模様はもともと石畳とよばれており、隙間なく並べて続いていく模様であることから「子孫繁栄や資産拡大」の意味を持つようになりました。
この市松模様は、実は炭治郎と禰豆子以外にも竈門家全員の衣類の一部についています。コミックス1巻1話で扉絵の禰豆子含め竈門家全員に市松模様が入っているのが分かりますし、1話時点で亡くなっていた父炭十郎はコミックス5巻39話で登場し、羽織に市松模様があります。
一方で、炭治郎のご先祖様にあたる炭吉が192話で緑壱に「この耳飾りも日の呼吸も後世に伝える 約束します!!」と叫びます。
そして、炭吉が叫んだように彼の代から竈門家は緑壱が見せた日の呼吸もうひとつの名でヒノカミ神楽を後世につたえていったのです。
このシーンで既に炭吉が市松模様の服を身に着けておりこのヒノカミ神楽が竈門家によってどこまでも続いていくようにという願いを込めて、炭吉の代の後もずっと竈門家は市松模様を身に着けているのではないかと推測できます。
そして、禰豆子の着物柄についても紹介すると、麻模様といいます。麻の葉の形に似ているのでこのように呼びます。
麻模様には、子の健やかな成長を願う願掛けや悪いものから守るという魔除けの意味がこめられています。
魔除けの意味があるなら、人間に危害を加える悪い鬼を払う意味としても捉えることができます。
魔除けのおかげで無惨に襲われるも死なずに鬼として生き残ったのでしょうか。そして、悪い鬼を追い払う特異な鬼つまりは魔除けとなったのでしょうか。
どちらにしても禰豆子に関するこれまでの出来事や話の中の役割を考えた上で着物の柄も選んでいると言わざるを得ません。
我妻善逸と桑島
善逸と師匠の元鳴柱の桑島の羽織の柄名は鱗文様(うろこもんよう)といいます。
柄に込められた意味は鱗で身を守る、魔除けの意味があります。
こちらも禰豆子の麻模様のように鬼除けの意味が込められていると考えられますが、なぜ鱗文様といわれるようになったかという理由を知っていると、もっと深い意味があると考えられます。
鱗文様は魚、龍や蛇の鱗に似ているこの呼ばれるようになりました。
そして、古事記において雷は蛇の形を持って現れる話があることと繋げると善逸がこの鱗文様を身に着けているのは雷の呼吸の使い手だからこそと言えます。
鱗滝左近次
炭治郎と義勇の師匠である鱗滝の羽織の柄名は瑞雲(ずいうん)柄です。
瑞雲とは刻々と変わりゆく雲の形の中でも、おめでたいことの起こる前兆として現れる雲のことを指しています。
実際に渡すシーンは描かれていませんが、最終選抜にいく炭治郎にこの瑞雲柄の羽織を身に着けているので、鱗滝が渡したとみて間違いないでしょう。
まさにおめでたいこと、最終選別を突破することを願ってこの羽織を渡したに違いありません。
冨岡義勇
水柱冨岡義勇の羽織は左右で柄が違います。右側が亀甲(きっこう)柄で、左側は錆色一色になっており柄名はありません。
どちらの側の羽織も亡くなった義勇の大切な人たちの羽織で、右の亀甲柄が鱗滝の元で一緒に修行をした錆兎の、左の錆色が義勇を鬼からかばって死んだ姉の蔦子のものです。
亀甲柄の意味ですが、「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、長寿をもたらす縁起の良いものという意味があります。
さらにこの亀甲柄は亀甲つなぎ、亀甲花菱や毘沙門亀甲など多くの派生してできた文様があります。多くの派生文様があることから、ものの見方を変え良い方向や進んでいくという意味も込められているのです。
コミックス15巻131話で自分が死ぬば良かったという義勇に、錆兎は義勇の頬を叩き死んだ義勇の姉のためにも生きろと叱咤激励します。まさに発想の転換を義勇に与えたわけです。
そして、同じように義勇はコミックス1巻1話で鬼になっても炭治郎を喰わない禰豆子を見て、禰豆子を殺さないという鬼狩りとしてはありえない発想に至ります。
さらに、禰豆子が人を喰わずに過ごした2年間のことは義勇の師匠である鱗滝がお館様に手紙で報告し、この手紙がコミックス6巻46話で柱たちの前で読まれるのです。
この手紙により柱たちにも、人を喰わない鬼が存在するという発想が与えられます。
錆兎も義勇も亀甲柄の意味する「ものの見方は変え良い方向や進んでいく」ということを体現していると言えるでしょう。
まとめ
鬼滅の刃のキャラクターが身に着けている羽織や着物の柄は、ちょっと耳にしたことがあるものもあれば、瑞雲柄など普段耳にしないものもあります。
それぞれの羽織または着物に込められている意味は、竈門家とヒノカミ神楽、善逸と雷の呼吸、鱗滝と最終選別突破への願掛け、義勇と発想の転換というキャラクターの物語における役回りが深く関係しています。
吾峠先生が実際にどういった理由で羽織や着物の柄を決めたかということははっきりしていませんが、鬼滅の刃の物語と照らし合わせて考えていくと、どうしても狙って決めているようにしか思えません。