鬼滅の刃に登場する鬼殺隊は人間を食べ者にする鬼を狩る政府非公認の組織です。
鬼殺隊の階級制度で一番上のものは甲(きのえ)といい、その中でも特に強い9人の剣士を「柱」と呼びます。
なぜ鬼殺隊の精鋭は「柱」と呼ぶなのでしょうか?
今回の記事では、鬼滅の刃の鬼殺隊の精鋭が「柱」と呼ばれる理由を、鬼殺隊の階級制度の呼び名である「十干」から考察していきます。
鬼滅の刃における日の呼吸の重要性
1.鬼殺隊の階級制度=「十干」
鬼殺隊の階級は、下から
- 癸(みずのと)
- 壬(みずのえ)
- 辛(かのと)
- 庚(かのえ)
- 己(つちのと)
- 戊(つちのえ)
- 丁(ひのと)
- 丙(ひのえ)
- 乙(きのと)
- 甲(きのえ)
の十段階とコミックス2巻8話で説明されています。
この十段階の階級は「十干(じっかん)」という中国思想の十の要素の呼び方と同じです。
この十干の歴史は古く、紀元前17世紀ごろから始まる殷王朝にまも遡ります。殷では太陽が10個あるとされ、この10ある太陽のそれぞれの呼び名として十干が使われていました。
鬼の弱点である太陽の呼び名であった十干が鬼殺隊の階級制度として選ばれたと考えられます。さらにこの十干からなんと鬼殺隊の精鋭たちが柱という呼び名で選ばれているかの理由を考察することができるのです。
そのために、十干は陰陽五行説、そして占いの方法である四柱推命に結びついていることを解説していきます。
2.陰陽五行説と四柱推命
陰陽五行説において十干は説の基本となっている五行(木、火、土、金、水)に陰陽を与えた時の10この要素の呼び名でもあります。
そして、この陰陽五行説をもとに人の性格を推察したり運命を占う方法を四柱推命と言います。
推察や占うために4つの柱を見ていきますが、その中の「日柱」が特に重要とされており、他の柱は日柱にどういう影響を及ばすかといったことをみて総合的な判断をします。
このように、鬼殺隊の階級制度の呼び方と同じ十干から日柱が重要であるということにたどり着くことができます。
3.日「柱」
日柱という呼び名は作品内にはでてきませんが、日柱と聞いて鬼滅の刃で連想するのはもちろん柱、そして日の呼吸です。
まず、コミックス8巻68話にて、日の呼吸が始まりの呼吸であり、他の全ての呼吸は日の呼吸を真似してできた呼吸であると元炎柱の慎寿郎が炭治郎に言います。
よって、柱たちの使う呼吸はすべて日の呼吸から生まれています。
さらに、柱とはコミックス6巻45話で説明されているように鬼殺隊を支える隊の重要人物です。この柱たちはコミックス8巻62話で炎柱杏寿郎が言ったように呼吸を極めている人たちです。
つまり、187話で型を完成させた緑壱は日の呼吸を極めた日柱と呼ぶことができます。
しかし、187話において緑壱が鬼殺隊を追放されたということも分かっていますし、178話で黒死牟が「日の呼吸の剣士も型を知る剣士も お前の死後 あの型(=無惨)と私で徹底して殺しつくした」と言っているので、日柱と呼べるもの鬼殺隊にはいなくなってしまいました。
そこで階級制度の呼び方と同じ十干において重要である日柱を鬼滅の刃でも重要な要素とし、日柱と呼べる緑壱の真似をして呼吸を極めた者たちを水柱、風柱などと呼ぶようになったと設定をつくったのではないでしょうか。
こうして考察していくと鬼殺隊の階級制度には鬼殺隊の精鋭を柱と呼ぶのに十分な理由があることが分かります。
なお、柱が9人である理由は柱という漢字が9画だからと公式ファンブックの鬼殺隊見聞録87ページに説明があります。
※178.187話コミックス未収録(2020年4月5日時点)
【鬼滅の刃】鬼殺隊の精鋭はなぜ「柱」というのか考察まとめ
柱という呼び名は単純に鬼殺隊を支える人たちという意味と最初は捉えていました。
しかし、鬼滅の刃における日柱という日の呼吸を極めた人物の重要性から柱という呼び名は鬼殺隊の階級制度と同じ呼び名である十干からきていると考察することができるのです。
まず、階級制度が殷王朝で太陽の呼び名とされていたことにも驚きますが、さらに柱という呼び名の由来や日の呼吸にまでつながっていくのです。
ここまで練り上げたられた設定であると考察可能なのはほんとに他の作品にはなかなか見られない鬼滅の刃の素晴らしい点の一つだと思います。