今回はジャンプ屈指の人気漫画「ONE PIECE」に登場する現海軍の元帥・元海軍大将であり、海軍キャラクターの中でも最強格とも言える「海賊という“悪”を許すな!!!」おじさんこと「赤犬」こと「サカズキ」について解説していきます。
【ONE PIECE】現海軍元帥・元海軍大将「サカズキ」
- 名前:サカズキ
- 通称:赤犬(あかいぬ)
- 年齢:53歳→55歳
- 誕生日:8月16日
- 血液型:F型
- 出身地:北の海
- 身長:306cm
- 所属:海軍(大将→元帥)
- 好物:白米、とうがらし
- CV:立木文彦(中将時代は「中尾みち雄」)
「徹底的な正義」を掲げる現・海軍元帥「サカズキ」のキャラクター性
海軍に所属し、現在の海軍元帥を務める男「サカズキ」。
元帥に就任する2年前、本編に本格的に登場した際には海軍大将として名を馳せており、「黄猿」こと「ボルサリーノ」、「青キジ」こと「クザン」と共に、「赤犬」と呼ばれて海賊たちに恐れられていました。
この赤犬、黄猿、青キジの三人は海軍大将の中でも特に実力者であり、世間は彼らを「三大将」と称していました。
3m越えの巨躯、「赤犬」の名の通りに派手な赤いスーツに派手なYシャツ、黒い手袋を着用し、スーツの胸元にはピンク色の薔薇のコサージュを飾った姿が印象的です。
深いしわが刻まれた顔は目深に被った帽子で隠され、帽子の下は角刈り、首元には体に入れられた刺青の一部が顔を覗かせているという、非常に厳つい容貌をした壮年の男として描かれています。
口調は広島弁であり、声優の立木文彦さんの演技力と前述の外見も相まってか、見た目は完全にカタギの人ではなく、「ヤのつく筋の人」にしか見えません。
ちなみに、元帥就任後はトレードマークであった赤いスーツから白いスーツに着替え、葉巻を愛飲するようになり、威厳が更に増しています。
外見は俳優「菅原文太」さんをモチーフにしていることがわかっています。
性格もその厳つい容姿に違わぬ、頑固な堅物です。
「人間は正しくなけりゃあ 生きる価値なし!!! お前ら海賊に生き場所はいらん!!!」
という名言があるなど、「徹底的な正義」を掲げ、「悪」に対しては過剰なまでの潔癖性を見せ、悪の片鱗や可能性すらも許さない徹底ぶりを見せています。
過激で苛烈な性質は時に執念深さにまで結びつき、重傷を負いながらも「マリンフォード頂上戦争」では最後まで白ひげ海賊団とぶつかり合い、戦い抜いている様子が見られます。
その猛烈なまでの正義への執念、悪への憎悪は時に味方すら戦慄させてしまいます。
また、自らが「海軍にふさわしくない」と感じたことに関しても異様なまでに厳しく、作中では敵前逃亡を行った部下を自ら処断する姿も見られています。
サカズキの能力
サカズキは、食べると超常的な能力を身に着けることが出来る「悪魔の実」を食べた「能力者」であることがわかっています。
彼は「マグマグの実」を食べた「マグマ人間」です。
炎より熱いマグマを操る!
サカズキはマグマグの実を食べた「マグマ人間」であり、自分の体を自由自在にマグマに変えることが出来るという能力を得ています。
マグマに変化した際の体温は計り知れず、能力を発動した状態のサカズキに近づくということは、マグマに近づくことと同意義となり、不用意に近づけばマグマに焼かれてしまうということになります。
当然、生半可な水や氷ではサカズキを止めることすら出来ません。
巨人族と同等の大きさを誇る氷塊ですら一瞬で蒸発させることが出来、そこに水の一滴も残さずに消し去るような芸当も出来てしまうのです。
また、炎系の悪魔の実能力の中でも最上級の熱量を誇るため、炎系の能力者にも火傷を負わせることが出来ます。
そのため、体を炎に変えたり、炎を自由自在に操る「メラメラの実」の能力者であったエースは太刀打ちが出来ませんでした。
作中でも「火を焼き尽くすマグマ」と自らを称しており、エースの能力の完全上位互換であることを見せつけています。
更には体の質量もある程度変化させるという芸当が出来るのも作中描写から伺えます。
実際、広範囲にマグマを広げて逃げ場を塞ぐ、マグマにした拳を巨大化させて相手を捕縛するなどの行動が描写されました。
攻防一体マグマの体!
前述の通り、サカズキは自らの体をマグマに変化させることが出来るマグマ人間です。
そのため、能力を発動したサカズキの体温はマグマと同等であり、容易に近づくことすら出来なくなってしまいます。
更に、自然物に体を変化させる「自然系(ロギア)」の能力者の特性として、流動物に体を変化させるために通常の物理攻撃が一切通用しません。
一応は「ONE PIECE」後半に登場した、意志の力を戦闘力として昇華させる「覇気」を使えば攻撃を当てられるものの、サカズキ自身が生身でも圧倒的な実力を誇る人間のため、ただ覇気を使用しただけでは太刀打ちすることすら出来ません。
作中では覇気を纏った攻撃を首に受けても「鬱陶しい」と一蹴してしまう描写が見られました。
これが雑魚海賊の攻撃なら仕方ないかもしれませんが、攻撃を加えたのが白ひげ海賊団の中でも「隊長」を務める実力者「マルコ」と「ビスタ」のものであるから脅威がわかります。
サカズキ作中でのエピソード
サカズキの登場するエピソードは少ないものの、その強烈な思考と圧倒的な実力は登場の度に読者へと衝撃を与えます。
以下、印象的であると思われるエピソードをまとめました。
オハラ侵攻
赤犬ことサカズキの存在が初めて示唆されたのは、コミックス41巻397話でのことで「麦わら海賊団」の仲間「ニコ・ロビン」の回想でした。
ロビンの故郷である「オハラ」に、海軍の大戦力による殲滅作戦「バスターコール」が発令された際に登場しています。
時期は本編開始より22年前(作中で2年の年月経過があるため、この事実が語られた当時は「20年前」)であり、サカズキはまだ海軍大将ではなく中将という立場でした。
バスターコールを受けたサカズキは、オハラで研究に勤しんでいた考古学者たちを粛正していきます。
ですが、サカズキの粛清対象はオハラに住んでいた考古学者ではない島民にまで及びます。
「悪は可能性から根絶やしにすべし」「島民の避難船の中に一人でも考古学者が潜んでいたら、今回の犠牲の全てが無駄になる」という思考の元、サカズキは避難船も撃沈させるよう命令しました。
苛烈なサカズキのキャラクター性が初登場と同時に初めて露見した出来事であり、あまりの容赦のなさに、クザンとともに戦慄を覚えた読者も多いのではないでしょうか。
マリンフォード頂上戦争
サカズキの存在と強さを読者に嫌という程見せつけたエピソードです。
海賊王「ゴール・D・ロジャー」の息子である「ポートガス・D・エース」の処刑を行おうとする海軍、仲間であるエースを奪還せんと奮闘する「白ひげ海賊団」と「モンキー・D・ルフィ」ら海賊連合との戦争と呼べる、物語の転機でした。
サカズキは海軍大将として登場し、「悪」である海賊を根絶やしにせんと戦闘に臨みます。
防護壁に閉じ込められた白ひげ海賊団の船を能力のマグマ弾で撃沈させ、白ひげの母船である「モビー・ディック号」すらも破壊してしまいます。
更には白ひげ海賊団船長であり、大海賊時代において皇帝のように君臨する4人の大海賊「四皇(よんこう)」の一人として数えられる「白ひげ」こと「エドワード・ニューゲート」と一騎打ちを行います。
そんな作中最強クラスの相手を単体で相手取り、途中能力をさらりといなされてしまったりするものの、最終的にはエドワードの顔左半分(アニメではショッキング過ぎると判断されたのか、腹部)を能力で焼き落としてしまう程にまで至ります。
そして、海軍側の目的であった「エースの殺害」を完遂しました。
更には逃げるルフィと「ジンベエ」を諸共に拳で貫き、重傷を負わせます。
この際に貫かれた傷跡は、2年後になった今でもルフィの胸に残っている程です。
以上のように圧倒的な武力を誇り、まるで海賊側の勝利のビジョンを見させないレベルでの実力を誇ったサカズキですが、彼は決して武勇だけの人間ではありません。
なんと、白ひげ海賊団の仲間であった「スクアード」を言葉巧みに扇動、疑心暗鬼に陥らせて、エドワードへと刃を向けさせることに成功しているのです。
ただ圧倒的な武力で叩き潰すだけではなく、時には策謀も巡らせることが出来るという海軍大将の一面を見ることが出来るシーンです。
また、正義の執行のためならば相手側の感情を利用することも厭わない、サカズキの冷徹で非常な側面を知らしめてくれました。
スクアードの扇動、エースの処刑、ルフィとジンベエに重傷を負わせる、エドワードの死因の一つになるなど、一度のエピソードで数々の功績を打ち立てたサカズキ。
異様なまでの強さを誇る人物であることを読者に突き付けたと同時に、数多くのファン(特にエースのファン)に恨まれることになりました。
パンクハザードでのクザンとの決闘
マリンフォードでの頂上戦争後、海軍元帥を退いた「センゴク」の代わりに、作中の世界をまとめる国際組織である「世界政府」より元帥に推薦されます。
ですが、センゴクは同じく海軍大将であり、サカズキとは正反対の正義と柔軟な思考を持った「クザン」を海軍元帥として推薦していました。
「徹底的な正義」と「だらけきった正義」、「炎」と「氷」、正反対な二人は元より意見が全く合わず、対立してしまいます。
結果、「パンクハザード島」にて決闘に至ります。
クザンとサカズキの決闘はおおよそ10日間にも及び、互いに激しい重傷を負いながらも、最終的にはサカズキが勝利を収めました。
クザンはサカズキへの敗北を機に海軍を離れていきました。
この死力を尽くした決闘が行われたパンクハザードは、二人の能力により気候が大きく変えられてしまいます。
島の気候は二分され、片方はクザンの能力によって極寒の大地に、もう片方はサカズキの能力で灼熱の大地になりました。
また、二人が激突した余波で出来た島中央のクレーターには、彼らのぶつかり合いで出来た裂け目から海水が流入、湖を形成しています。
圧倒的な実力を持つ、対の能力の悪魔の実能力者がぶつかり合うとどうなるかを、詳しく体現したエピソードです。
海軍元帥への就任
サカズキは以上の決闘の末、海軍元帥として君臨するようになりました。
マリンフォード頂上戦争で削られた戦力を、世界中から徴兵する「世界徴兵」で補い、新たな大将である「緑牛」と「藤虎」を加入させています。
また、正義に対する執着もより一層強くなり、世界政府のやり方に納得のできないことがあれば、世界政府でも最高の権力を持つ「五老星」に直談判するほどの豪胆さを見せました。
ですが、自らの苛烈な正義に反目する藤虎や、腐敗し切った世界政府の方針など、ままならぬことも多くなってきていることが描写されています。
実質「中間管理職」である元帥としての苦しさを味わっている最中であるようですね。
サカズキの余談
作中でも圧倒的な武力と苛烈な人間性を誇り、ワンピースでもギャグに染まったことが無いサカズキですが、一度本編外に出ると意外とコミカルな描写をされてしまうことがわかっています。
「ONE PIECEニッポン縦断!47クルーズCD」という企画CDの中では、広島弁が特徴的であったためか、広島県代表キャラクターとして選出されています。
キャラクターソング「RED DOG RED」を歌います。
立木文彦さんは歌唱力に定評のある声優であったためか、非常に力強くダンディな声で楽曲を歌い上げているものの、歌詞の内容がどちらかと言うと若干ネタ寄りであり、キャラ崩壊を起こしていると評判です。
また、パッケージに描かれた「もみじ饅頭を喰らうサカズキ」のインパクトも大きく、作中とのギャップに驚いたというファンも多いようです。
更に、ジャンプ漫画のキャラクターが登場するオールスターゲーム「Jスターズビクトリーバーサス」においては、立木文彦さんが多数のジャンプ作品に登場しているということから、中の人ネタでいじられることも多くなっています。
例として挙げられるのは「銀魂のキャラクターから『まるで駄目なオッサン』と同じ声であると指摘される」「黒崎一護から『戦闘狂の死神よりたちが悪い』と言われる」「ボボボーボ・ボーボボの中の人がクザンと同じ人のため、やたら意識される」などの演出が存在します。
その他にも多数コミカルにいじられているシーンがあるため、気になる人は是非とも「Jスターズビクトリーバーサス」の会話集などを視聴してみることをおすすめします。
赤犬に関する考察【ラスボス説】
赤犬に関する考察として、ラスボス説というものが存在します。
これは赤犬がルフィの兄貴分であるエースを倒した人物だからです。
つまり、ルフィはエースの仇をうつという意味合いで、将来的に赤犬と敵対する可能性が高いと考えられます。
そうなった時に、仇をうつのは最後の最後になるだろうということでラスボスになるのではないかという説があるということですね。
赤犬の強さや海軍のトップである元帥という立場である、ということなどを踏まえてもその可能性は考えられますね。
赤犬(サカズキ)の過去は壮絶?
赤犬については、過去も大きな考察要素となっています。
あれだけ徹底的に正義にこだわっている赤犬ですから、過去に何かしらのことがあったのではないかと予想されます。
有力な考察としては、家族が海賊に惨殺されて、それ以来、海賊を悪と憎むようになったというものですね。
このあたりの真相についても作中で明かされることになるのかもしれません。
ちなみに赤犬の過去について、ワノ国出身なのではないかという説も存在します。
その理由として、ワンピースの扉絵で赤犬がワノ国らしき場所で盆栽をたしなんでいる描写がされているからです。
そうして考えてみると、赤犬の入れ墨もワノ国出身者っぽいですし、そもそも本名のサカズキが「盃」なわけなのでワノ国の出身者である可能性は高そうです。
そうなればワノ国編に赤犬が関わってくる可能性も考えられそうですね。
まとめ
マリンフォード頂上戦争において圧倒的な実力を見せつけ、海賊たちや読者たちに多大なインパクトを与えたサカズキ。
海軍大将から海軍元帥に就任した結果、現状はやや不遇な要素が多いものの、いずれは必ずルフィの前に強大な力を誇る壁として立ちはだかるのは最早わかりきったことでしょう。
また、ルフィの兄であったエースを殺したことなどもあってか、ルフィにとっては避けては通れない因縁の相手であるため、対決は免れません。
ルフィは一度サカズキに現在に残る程の傷を負わされていることから、彼が勝てるのかどうかが心配になってしまいます。
以上、今回は海軍でも最強レベルの強さを誇る海軍元帥「サカズキ」について説明しました。