鬼滅の刃23巻201話「鬼の王」のネタバレと感想・考察を紹介します。
前話200話ではついに無惨が日の光に晒され、崩れ落ちます。
自らの死を前にして無惨は何を思ったのでしょうか。
鬼滅の刃201話「鬼の王」の内容を見ていきましょう。
鬼滅の刃23巻201話のネタバレ
無惨の想い
肉の鎧の中、死の淵にて無惨は自らの人生を述懐する。
それは死の影がいつも張りついていたようなものだった。
母の腹の中で何度も心臓が止まり、生まれた時には脈もなく呼吸もしておらず、死産だと言われた。
そして荼毘に付されようとする時、もがいてもがいてようやく産声をあげることができたのだ。
無惨は自ら強く念じたことを必ず叶え実行してきた。
しかし一個体にできることには限界があり、生き物は例外なく死に、肉体が死んだら全て終わってしまう。
耀哉が言った通りであったと無惨は認める。
想いこそが永遠であり不滅なのだ。
その受け継がれた想いによって打ち負かされたのだという事実に、無惨は感動して涙を流す。
そして無惨は自らもまた誰かに想いを託し、受け継がせていくことができるのだという考えに至る。
無惨は取り込んだ炭治郎へその手を伸ばし、血と力の全てを注ぎ込む。
日の光を克服した禰豆子と同じ血が流れており、唯一日の呼吸を使いこなすことができた炭治郎ならば、最強の鬼の王になるであろうと無惨は考えたのだ。
こうして無惨は死の間際、その力と鬼狩りを滅ぼすという夢を炭治郎に託したのだった。
鬼と化す炭治郎
脈も呼吸も止まってしまった炭治郎。
その周りには義勇や隠たちが集まり、皆涙を流し悲しんでいた。
そんな中、突如炭治郎が目を覚ます。
突然の出来事に呆然とする義勇たちだったが、炭治郎はそれをよそに、斬られた腕を瞬時に再生すると、隠に襲いかかろうとする。
義勇は隠を抱え咄嗟に飛び退くと、周りの隠に離れろと叫ぶ。
しかし隠たちはまだ事態が飲み込めず、立ち尽くしてしまう。
そこへ再び襲いかかる炭治郎だったが、日の光に焼かれ地面に転がりもがき始める。
義勇は炭治郎が鬼にされた、動けるものは武器をとって集まれと呼びかける。
その声を聞いた善逸と伊之助は耳を疑った。
日の光から逃げようと日陰に入ろうとする炭治郎。
それを義勇は逃さず、刀で突き刺し太陽のもとにとどめようとする。
できることならこのまま誰も殺さず、日の光に焼かれ死ぬことを願う義勇。
だがその時、炭治郎の肌が焼けるのが止まる。
三人の約束
炭治郎は義勇を殴り振り払うと、そのまま追い打ちをかけようとする。
そこへ伊之助が駆けつけ、炭治郎の攻撃から義勇を守る。
仲間に何をしてるんだと怒る伊之助だったが、その声は炭治郎には届いていなかった。
炭治郎は伊之助を前に、敵意をむき出しにして唸る。
隠に肩を貸してもらいなんとかその場に来た善逸は、その光景に目を疑い、こんなのあんまりだと涙を流す。
戦いながら伊之助は、稽古の合間に炭治郎と善逸の三人でこんな約束をしていたことを思い出す。
俺たちは仲間だから、兄弟みたいのものだから、誰かが道を踏み外しそうになったら、みんなで止めよう。
どんなに苦しくても、つらくても正しい道を歩こうと。
今、目の前で道を踏み外そうとしている炭治郎。
それを止めるのは自分でなければと、伊之助は炭治郎の首元に刀を振ろうとする。
だが寸前のところで、焼き魚を分けてくれた炭治郎の笑顔が頭に浮かび止まってしまう。
鬼になってしまったとは言え、苦楽を共にした仲間である炭治郎を斬ることなど伊之助にはできなかったのだ。
その目には大粒の涙が浮かんでいた。
鬼滅の刃23巻201話の扉絵とタイトル考察
今回の扉絵は無く、無惨が自分が生まれたときのことを思い返す場面から始まります。
エピソードタイトルは「鬼の王」。
これは無惨の台詞からですね。
日の光を克服する素質がある炭治郎に、自らの血と力を全て注ぎ込むことによって、最強の”鬼の王”なると無惨は考えました。
鬼滅の刃23巻201話の名台詞
今回印象に残った台詞は無惨の「私の想いもまた不滅なのだ 永遠なのだ」です。
耀哉の言っていたことが正しかったと、今までの自分が間違っていたことを認めた無残。
死を間際にしてようやく無惨も改心したのかと一瞬思いましたが、その後に出てきたのはこの言葉でした。
多くの犠牲を払いながらもついに無惨を倒したのも束の間、さらなる絶望に突き落とそうとするこの台詞には読んでいて衝撃を覚えました。
鬼滅の刃23巻201話の感想・考察まとめ
無惨が自分の行いを懺悔して終わるのかと思いきや、最後にとんでもない展開が待ち受けていました。
鬼殺隊がこれまでしてきた、想いを託し繋いでいくということを、自らも歪んだ形で実践しようとする無惨。
鬼狩りを滅ぼすという邪悪な野望を”夢”と語る姿がなんとも憎たらしいです。
炭治郎が鬼になってしまっても、すぐに切り替え対処しようとする義勇には、鬼殺隊としての覚悟や責任感を感じました。
それとは対象的に伊之助は、どうしても割り切ることができず、刀を振る事ができませんでしたが、それも人間味に溢れていて、伊之助らしく、とても印象的でした。
とはいえ、このままでは伊之助は炭治郎に殺されてしまいます。
この状況をどう切り抜けるのでしょうか。
そして鬼になってしまった炭治郎は、禰豆子のように人間に戻ることができるのでしょうか。
近くまで来ているはずの禰豆子が、まだ姿を現していないのも気になるところです。
202話の展開に注目しましょう。