鬼滅の刃21巻186話「古の記憶」のネタバレと感想・考察を紹介します。
前話185話で気を失った炭治郎は、以前も見た先祖の記憶を目にします。
縁壱が炭吉に語ると言う形で、次第に明らかになっていく縁壱の過去。
鬼滅の刃186話「古の記憶」の内容を見ていきましょう。
鬼滅の刃21巻186話のネタバレ
先祖の記憶
先程まで無惨と戦っていた市街地とはあまりにも違う光景に炭治郎は戸惑う。
見渡すとそこは炭治郎の家とよく似た家の庭先で、自分は薪割りをしている最中のようだった。
夢の中での炭治郎の姿は、先祖である炭吉の姿によく似ていた。
見知らぬ子供に裾を引っ張られ父と呼ばれる炭治郎。
その子供の指差す方に目をやると、そこには縁壱の姿があった。
一方現実では村田が死にかけている炭治郎に蘇生を試みていた。
必死に炭治郎の名を呼びかけながら胸を押す村田。
するとそこに、瓦礫の下敷きになった愈史郎を一緒に助けてほしいと竹内がやってくる。
死にそうな炭治郎を放って行けないという村田に対し、愈史郎が助かれば手当してくれるはずと言う竹内。
それに説得される形で村田は竹内と共に愈史郎のもとへ向かうことになる。
縁壱の過去
縁壱の姿を見て、これは以前も見た先祖の記憶なのだと察した炭治郎。
家の縁側に並んで座ると、縁壱は誰かに話を聞いて欲しかったと言う。
炭治郎は日の呼吸について聞くまたとない機会だと思い聞こうとするが、その口から出た言葉は全く違うものだった。
遺伝した先祖の記憶を見ているだけの炭治郎には、一切干渉することができないのだ。
縁壱は炭吉たちが幸せそうで嬉しい、幸せそうな人を見ると幸せな気持ちになると告げ、静かに自分の半生について語りだすのだった。
耳飾りは縁壱が口を聞かなかったため、耳が聞こえないのだと思った母が、太陽の神様に温かく照らしてくれと祈りを込めて作ったものだった。
兄は優しい人で、いつも気にかけていてくれていた。
父に構うなと言われ殴られた翌日も、助けて欲しいときはこれを吹けと笛を作って持ってきてくれた。
母が病死し家を出た縁壱は、出家するよう言われていたがそれを聞かず寺には行かなかった。
今までの殆どを家で過ごした縁壱は、この空の下をただひたすら走ってみたかったのだ。
だが不思議なことに一昼夜走り続けても、縁壱は一切疲れを感じなかった。
そして縁壱は、山の中にある小さな田んぼで”うた”という少女に出会う。
うたは桶を手に抱え田んぼの中で立ち尽くしていた。
なにをしているのかと縁壱が尋ねるとうたは、流行り病で家族を失った寂しさを紛らわすため、おたまじゃくしを捕まえ、連れて帰るのだと言う。
しかし、しばらくするとうたはこの子達も親兄弟と引き離されるのは可愛そうと考え直し、捕まえたおたまじゃくしを全て田んぼに返す。
それを見ていた縁壱は、おたまじゃくしの代わりに自分が一緒に帰ると言い、そのまま二人は一緒に暮らすことになる。
うたは元気で明るくよく喋る女の子で、生き物の体が透けて見える事が普通ではないことも、彼女のお陰で知ることができた。
糸の切れた凧のような縁壱の手を、しっかりつなぎとめてくれるうたは、やがて縁壱にとってかけがえのない存在へとなっていく。
その後も平穏で幸せな暮らしは続き、十年後二人は夫婦になる。
ささやかな夢
身籠ったうたの臨月が近づいたある日、縁壱は産婆を呼びに出かける。
日が暮れる前に帰るつもりだったが、道中で倒れている老人と出会う。
その老人は心臓が悪く、それでも戦で負傷した我が子の元へ駆けつけるため急いでいた。
気の毒に思った縁壱は、その老人を担ぎ息子の元まで送り届けることに。
無事送り届けた時にはもうだいぶ時間が過ぎており、縁壱は産婆を呼びのは明日にし、急いで家へ帰る。
しかし家に着く頃にはすでに日が暮れており、うたは腹の子諸共殺されていた。
それから縁壱は十日ほど、鬼を追ってきた剣士に話しかけられるまで、ぼんやりうたの亡骸を抱いていた。
その剣士は弔わねば可哀想だと言い、うたを一緒に弔ってくれた。
家族とただ静かに暮らしたいという縁壱の夢。
それすら鬼がいるために叶わないのだと悟った縁壱は、鬼狩りへの道を選ぶ。
その頃の鬼狩りには呼吸を使えるものが誰もいなかった為、縁壱が教えた。
柱と呼ばれる者たちは、それぞれ炎、風、水、雷、岩の剣術の型を持っており、それに呼吸を上乗せすると飛躍的に力が向上した。
縁壱が呼吸を広めてから鬼狩りの戦力は著しく上がり、兄である巌勝も鬼狩りに加わった。
それから間もなく縁壱は鬼の始祖、無惨をついに探し出す。
縁壱はその姿をひと目見た瞬間に、自分はこの男を倒すために生まれてきたのだと理解した。
鬼滅の刃21巻186話の扉絵とタイトル考察
今回の扉絵は炭吉の家とそれを見つめる炭吉の後ろ姿が描かれたものです。
姿は炭吉のものですが、意識は炭治郎であり、自分の身に起こっていることに動揺している最中でしょう。
エピソードタイトルは「古の記憶」。
これは今回炭治郎が再び見ることになった、先祖の記憶のことですね。
鬼滅の刃21巻186話の名台詞
今回印象に残った台詞は縁壱の「そんなことすら叶わない、鬼がこの美しい世界に存在している為に」です。
どこか浮世離れしている印象が強く、戦うことを好まない縁壱が、なぜ鬼狩りになったのか疑問だったのですが、自分の愛するこの世界に、鬼という自然の摂理に反した存在がいることが許せなかったのではないでしょうか。
愛するうたを殺されたことは縁壱にとって途方も無い悲しみだったのは疑いようもありません。
しかし、他の隊士たちと同じような、大切な人の仇である鬼、そしてそれを生み出した無惨に対する、恨みや怒りで戦っているわけでは無いように思えるのです。
そんな事を感じさせる台詞でした。
鬼滅の刃21巻186話の感想・考察まとめ
今まで謎に包まれていた縁壱の過去ですが、今回幼少期から鬼狩りになるまでが描かれました。
縁壱の幼少期は巌勝の回想でも描かれていましたが、その印象はだいぶ違いますね。
巌勝が縁壱に笛を渡したことは巌勝も語っていましたが、父に叱られ殴られた翌日だったことや、渡す際にこの笛を吹いたらすぐに助けに行くと言っていたことまでは語られませんでした。
縁壱にとって兄は優しい人だったと語っていますから、おそらくこれ以外も何かと構っていたのでしょう。
巌勝目線では縁壱がなぜそこまで兄を慕うのかがわからなかったのですが、今回語られた内容を見るとそれも納得できますね。
次回は縁壱が無惨と対決することになります。
無惨は炭治郎たちの時代にも生きていますから、縁壱でも無惨を倒すことはできなかったのでしょう。
しかし縁壱もまたこの戦いで命を落とすわけでは無いことも巌勝の回想でわかっています。
この戦いで一体何が起こったのでしょうか。
187話の展開に注目しましょう。
⇒鬼滅の刃187話