鬼滅の刃20巻178話「手を伸ばしても手を伸ばしても」のネタバレと感想・考察を紹介します。
前話177話では縁壱と巌勝の幼少期が描かれました。
哀れんでいた縁壱が、次第に妬み憎む対象へと変わっていく巌勝。
鬼滅の刃178話「手を伸ばしても手を伸ばしても」の内容を見ていきましょう。
鬼滅の刃20巻178話のネタバレ
縁壱との再会
巌勝は激しい憎悪から縁壱の死を望む。
そしてそれは縁壱が寺にはいかず、消息を絶ったことで叶えられたかのように見えた。
それから十年余り平穏な日々が続く。
妻を娶り、子供にも恵まれた巌勝だったが、ある日そんな日々が終わりを告げる。
野営していたところを鬼に襲われる巌勝。
そしてそれを救ったのは他でもない縁壱だった。
鬼を容易く倒し、そして巌勝の配下を守れなかったことを詫びる縁壱。
子供の頃とは比べ物にならないほど強く、そして優れた人格者になっていた。
そして、その剣技をなんとしても物にしたかった巌勝は、妻子を捨て縁壱と共に鬼狩りになる道を選ぶ。
縁壱は誰にでも惜しみなく剣術を教えていた。
だが誰も同じようにはできないため、それぞれに合わせた教え方をしていき、それが様々な派生の呼吸法になっていった。
次第に鬼狩りの中に痣が出るものが増えはじめ、巌勝にも縁壱とおなじような痣が現れた。
だが他の者と同じく巌勝も、縁壱のように日の呼吸を使うことはできなかった。
そしてある時を境に、痣が現れた者が次々と死んでいく事態が起こり、痣は寿命の前借りに過ぎないということがわかる。
鍛錬を続け、いつかは縁壱に追いつこうとしていた巌勝はそれを知り絶望する。
そんな時、鬼狩りの最中に巌勝は無惨と出会う。
鬼になって技を極めれば良いと言う、無惨の誘いは巌勝にとってまさに僥倖だった。
こうして鬼になった巌勝だったが、その心は再び縁壱と出会うことで打ち砕かれる。
寿命で息絶えた縁壱の体を両断する巌勝。
すると縁壱の懐から笛が、一緒に切られこぼれ落ちる。
子供の頃、自分が作ってあげた笛。
それを縁壱は今の今まで肌身離さず持っていたのだ。
それを見た巌勝は思わず涙をこぼしたのだった。
黒死牟の最期
誰よりも憎く、嫌いだったはずの縁壱。
だが数百年たった今、思い出せるのは父でも母でも、妻でも子でもなく縁壱の顔だけだった。
縁壱はまるで太陽のようで、周りの人間は焦がれて手を伸ばし、もがき苦しむほか無い。
体が崩れ行く中、黒死牟は結局何も手に入れることができなかったと嘆く。
家を妻子を、人間であることすら捨てて、子孫を切り捨て、侍であることも捨てたのにそれでも縁壱には届かない。
道を極めたものが辿りつく場所は同じだと言ったが、自分はそこに辿りつけなかった。
日の呼吸を知るものも徹底的に殺し尽くしたはずなのに、なぜか残っている。
かたや自分は何も残せず死んでいく。
その事実に、何のために生まれて来たのだ、教えてくれと縁壱に問いかけ、崩れ落ち消えていった黒死牟。
そこには着物と切られた笛だけが残っていた。
鬼滅の刃20巻178話の扉絵とタイトル考察
今回は扉絵が無く、縁壱を恨む巌勝のコマから始まります。
エピソードタイトルは「手を伸ばしても手を伸ばしても」です。
これは縁壱に焦がれ手を伸ばしたものの、ついにそこに辿りつくことはできなかった巌勝の心情を表したものでしょう。
鬼滅の刃20巻178話の名台詞
今回印象に残った台詞は「教えてくれ、縁壱」です。
黒死牟の縁壱への思いは一言では表せない、妬みや憎悪そして憧れなどが複雑に絡み合ったものだったのでしょう。
そして誰よりも大切な存在だったのかもしれません。
最後に問いかけるこの台詞、そして描かれる残された笛には涙を誘われました。
鬼滅の刃20巻178話の感想・考察まとめ
前回に引き続き今回も、黒死牟の過去が描かれました。
痣が発現し、短い余命では縁壱に追いつけないと鬼になった黒死牟。
しかし鬼になって再び対峙した縁壱は、痣がありながら老齢まで生きていました。
これは生まれつき痣があった縁壱に限った事だったのかもしれませんが、黒死牟からすれば自分が鬼になった理由の一つを否定されたのと同じだったでしょう。
そして鬼になり鍛錬を積むことで縁壱を超えられるという望みも潰されます。
黒死牟の過去を知ってからだとあの時黒死牟は、縁壱と対峙するだけでが鬼になった意味を否定されていたのだということがわかりますね。
今回で黒死牟との決着がつきましたが、犠牲が多かったこの戦いのその後が気になります。
179話の展開に注目しましょう。
⇒鬼滅の刃179話