鬼滅の刃18巻154話「懐古強襲」のネタバレと感想・考察を紹介します。
前話153話で猗窩座は、戦いの最中突如、過去が蘇り動きが止まります。
鬼になり、猗窩座自身も忘れていた過去。
それが今回、明らかになるのでしょうか。
鬼滅の刃154話「懐古強襲」の内容を見ていきましょう。
鬼滅の刃18巻154話のネタバレ
炭治郎を守る
気を失い無防備な炭治郎を守るため、猗窩座を焚き付け、自らに標的を向けた義勇。
しかし義勇はすでに、まともに戦える状態ではなかった。
長時間に渡る全力の戦いで、疲労は限界に達しており、避けきれなかった攻撃で、体も傷だらけであった。
それでも義勇は託されたものを繋ぐ、もう二度と目の前で大切な人を死なせないのだと、強く決意するのだった。
手を引く者
猗窩座は義勇と対峙しながらも、動きが止まっていた。
義勇を殺そうとする意志に反して、心のなかに現れた女がそれを必死に止めるのだ。
どうしてこんなことをするのかと問う女に対して、強くなければいけないからだと答える猗窩座。
強くなければ、親父に薬を持って帰れないからだと。
猗窩座のまだ人間だった頃の名は狛治といった。
狛治は病気の父と二人で暮らしていた。
父の病気は重く、いつも床に臥せており、治すにはなんとしても薬が必要だった。
しかし貧乏でお金がなく、子供でまともに働くこともできない狛治が薬を手に入れるには、スリに手を染め、その金で買う他無かった。
狛治は、十一歳にして大の大人相手に立ち回れるほどの腕っぷしを持っていた。
スリが見つかり捕まったときや、返り討ちにあったときに、戦うためには強くなければならなかったのだ。
そんな狛治もある日、奉行所に捕まってしまう。
刑罰の百叩きを終え、それでもなお悪態を付く狛治。
その腕にはスリで捕まるたび入れられる墨が三本入っており、次は手首を切り落とすと告げられる。
狛治が奉行所から帰ると、近所の者が血相を変えて、駆け寄ってきた。
狛治が捕まった事を知った父が、首を吊って死んでしまったと言うのだ。
父が残した手紙には、自分が病気であるがために、狛治の手を悪に染めてしまいすまないと書いてあった。
そして、これからまっとうに生きろ、まだやり直せると。
悲しみに暮れた狛治は、この世を恨み、自暴自棄に暴れまわる日々を送ることになる。
恋雪との出会い
その日も狛治は、大の男相手に暴れまわっていた。
そこに道着を着た男が現れる。
どうやら子供が大人に囲まれ、殺されそうだというので呼ばれ、駆けつけたらしい。
狛治の足元でのびてる男たちを見て、大人相手に素手でここまでやれるのは筋がいい、うちの道場に来ないかと誘う道着の男。
そんなことには聞く耳も持たず、殴りかかる狛治だったが、あっけなくその男に返り討ちに合う。
気を失い、道場に連れてこられた狛治は、手当を受け、そのまま道場の世話になる。
その男は”素流”という素手で戦う武術の師範らしいのだが、門下生が誰一人いなかった。
狛治に病気の娘がいるから、その世話をしてほしいと告げる師範。
今まで妻が世話をしてくれていたが、先日看病疲れで入水自殺してしまったと、事も無げに話す。
狛治は、罪人の自分にそんな事を任せて良いのかと問う。
それに対し師範は、罪人のお前は先程倒したから大丈夫だと笑顔で返すのだった。
早速、娘の部屋に案内される狛治。
娘の恋雪だと紹介されたその少女は、床に伏せており、弱々しく咳をしていた。
その姿に自らの父親の姿を重ねる狛治。
恋雪は自らも病で辛いはずなのに、狛治の顔の怪我を気遣う。
そんな過去を思い出していた猗窩座は、自らの人生をこき下ろす。
きっと治す、助ける、守る、そんな妄言だらけのくだらない人生だったと。
鬼滅の刃18巻154話の扉絵とタイトル考察
今回の扉絵は、師範と恋雪が、道場の前で立っているものです。
その顔は描かれていないため、猗窩座がおぼろげに過去を思い出しつつある、ということが描かれているのでしょうか。
エピソードタイトルは「懐古強襲」です。
調べてみたところこのような四字熟語は無いようで、吾峠先生の造語のようですね。
懐古は昔の事を起こすこと、強襲とは不意に襲いかかること、ということで、思い起こされた過去が猗窩座に襲いかかるといった意味合いでしょうか。
鬼滅の刃18巻154話の名台詞
今回、印象的だった台詞は師範の「罪人のお前は、先刻ボコボコにしてやっつけたから、大丈夫だ」です。
スリに手を染めていても、乱暴者でも、その性根は真っ直ぐであると師範は見抜いていたのでしょう。
この台詞を受けて面食らったような、狛治の顔も印象的です。
鬼滅の刃18巻154話の感想・考察まとめ
初めて猗窩座の過去が明かされた今回。
個人的に印象的だったのが、師範が狛治に妻が自殺したことを告げる場面です。
常に笑顔を絶やさない師範ですが、妻の話をしているときだけ表情は伺えず、描かれるのは後ろ姿と足元のみになっています。
おそらく口では平気そうにしていても、その顔は悲しみに歪んでいたのでは無いでしょうか。
常に笑顔で、少しとらえどころがないように見える師範。
見ず知らずの、しかも子供とはいえ罪人を、自分の家に住まわせる、その行動に娘を本当に大切にしてるのかと不安になりますが、この場面を見ると、家族思いであり、妻の死にも気丈に振る舞っている、そんな一面が垣間見れます。
大切な娘を任せても良いと、心から狛治を信頼したのでしょう。
そんな師範や恋雪と出会うことで、狛治がこれから救われることを願いますが、猗窩座がくだらない人生だったと回顧するところを見ると、そうはならなかったのでしょうか。
155話の展開に注目しましょう。
⇒鬼滅の刃155話