鬼滅の刃11巻96話「何度生まれ変わっても(前編)」のネタバレと感想・考察を紹介します。
前話95話では鬼との戦いで多くの傷を負った四人が禰豆子の能力により一命を取り留めました。
安心した炭治郎は、禰豆子と共に鬼の匂いを辿ります。
するとそこには、醜く言い争いをする兄妹の姿がありました。
鬼滅の刃96話「何度生まれ変わっても(前編)」の内容を見ていきましょう。
鬼滅の刃11巻96話のネタバレ
喧嘩を諫める炭治郎
ハラハラと崩れ去りながら口論を続ける二人の鬼。
強い所しかいいところがないのに、負けたらただの出来損ないの醜い奴だ、と兄を罵る堕姫。
それに対して出来損ないはお前だ、弱くて何のとりえもない、と売り言葉に買い言葉の妓夫太郎。
お前さえいなければ俺の人生は違っていた、お前なんて生まれてこなければ…と、更に妓夫太郎は言葉を繋げる。
すると、炭治郎が妓夫太郎の口を静かに塞ぐ。
本当はそんなことを思っていないはずだ、と悲しい目をして諭す炭治郎。
仲良くしよう、この世でたった二人の兄妹なんだから。
妓夫太郎達のしたことは誰にも許されることではない、だからこそせめて二人だけは互いを罵り合ったらだめだ。
炭治郎は、目を閉じながらやさしくそう述べる。
アタシたちに説教をするな、と泣きわめく堕姫。
堕姫はもうすぐにでも崩れてしまいそうで、もう顔面も半分しか残っていない。
悔しい、死にたくない、助けてお兄ちゃん、と言いながら崩壊する堕姫。
妓夫太郎はその様子を見つめながら、気が付けば堕姫の本当の名前を呼んでいた。
妓夫太郎の過去
堕姫の本当の名前は「梅」であり、死んだ母親の病名からつけられた名前だという。
妓夫太郎と梅は遊郭の最下層で生まれ、何度も殺されそうになりながら二人で生きてきた。
妓夫太郎は醜い声と容貌を持っており、あらゆる罵詈雑言を浴びながら育った。
腹が減ったら虫や鼠を食べ、遊び道具は客が忘れ帰った鎌だった妓夫太郎の中で何かが変わり始めたのは、梅が生まれてからだった。
妓夫太郎は自分が喧嘩が強いことに気がついてから取り立ての仕事をはじめた。
妹の梅は年端もいかない頃からとても綺麗な顔をしていた。
梅のような美しい妹を持つことで妓夫太郎は劣等感を持たずに済んだ。
しかし梅が13歳になる時、梅は客の目玉を突いて失明させたことにより、生きたまま焼かれることになった。
妓夫太郎は丸焦げで呻く梅の姿を仕事帰りに発見し狂乱する。
何も与えなかったくせに俺から取り立てるな、ふざけるな。
俺の妹を元に戻せ、でなければ神も仏も皆殺してやる。
そう泣き叫ぶ妓夫太郎の背中を、刀がぱっくりと切り裂いた。
上弦の陸との出会い
妓夫太郎の背中を斬ったのは梅が目を突いた客の侍だった。
隣には妓夫太郎の雇い主の女性がいて、厄介払いができてよかったと侍に語っている。
侍がとどめを刺そうとすると、妓夫太郎が鎌を握り飛び上がる。
妓夫太郎は後ろにいた女性を一刺しで殺し、ゆっくりと立ち上がる。
そして恨み節を語りながら、侍をも軽々と鎌を用いて一刀両断した。
妓夫太郎は瀕死の梅を抱いて走り出す。
誰も助けてくれない、助けてくれる人間はいつもいなかった。
雪が降り始めもう歩けなくなり、妓夫太郎達はついに倒れこんでしまった。
そんな妓夫太郎たちの前に現れたのは、女性のばらばらの死体を両手に持った謎の男だった。
男の目には「上弦の陸」と書かれており、二人に血をやる、と薄く笑いながら語っている。
あの方に選ばれれば鬼となれる。
お前らは鬼となり、十二鬼月、上弦へと上がってこれるか、と男は妓夫太郎に手を伸ばした。
妓夫太郎は薄れゆく意識の中で笑う。
鬼になったことに後悔はない。
何度生まれ変わっても俺は必ず鬼になる。
幸せそうな他人を許さず、必ず奪って取り立てる妓夫太郎になる。
そう誓うのだった。
鬼滅の刃11巻96話の扉絵とタイトル考察
96話の扉絵は妓夫太郎達の喧嘩を悲しそうな瞳で見つめる炭治郎と禰豆子の姿です。
炭治郎は満身創痍で禰豆子に負ぶられていますが、二人の表情がよく似ているのが見える構図です。
二人が優しい兄妹なのだという事がよく伝わる絵ですね。
96話のエピソードタイトルは、「何度生まれ変わっても(前編)」となっています。
これは最後に妓夫太郎が「俺は何度生まれ変わっても必ず鬼になる」と誓った言葉と同じ文面です。
炭治郎の優しさはこの鬼たちには届かないまま終わるのでしょうか。
そして妓夫太郎はこのように誓っていますが、果たして堕姫の方はどうなのでしょうか。
鬼滅の刃11巻96話の名言は?
「仲良くしよう この世でたった二人の兄妹なんだから」
言い争う妓夫太郎の口を優しくふさぎながら炭治郎が放ったセリフ。
炭治郎と禰豆子は、一歩間違えれば妓夫太郎と堕姫のような形になったかもしれない。
同じ兄妹として炭治郎は、この悲しい兄妹げんかを見過ごせなかったのでしょう。
炭治郎の優しい心がよく表現された、とても考えさせられる一言です。
鬼滅の刃11話96話の感想・考察まとめ
96話では、妓夫太郎の悲しき過去が明らかになりました。
彼らがどのような思いで生きて鬼になったのかを考えると、むなしい気持ちになります。
そして妓夫太郎たちを鬼に勧誘した当時の上弦の陸は、どのような役回りを負っているのでしょう。
後編ではどのような話が展開されるのでしょうか。
97話の展開に期待しましょう。