鬼滅の刃5巻43話「地獄へ」のネタバレと感想・考察を紹介します。
累を殺すことができていなかった炭治郎は再び危機に襲われますが、冨岡がその危機を救います。
満身創痍の炭治郎ですが、禰豆子に覆いかぶさるように抱きしめます。
首だけになった累はその二人を見つめますが、累には人間だったころの記憶がないようです。
本物の絆を目にした累が最後に思い出した二人の人間の男女は、一体誰なのでしょうか。
鬼滅の刃5巻43話「地獄へ」の内容を見てみましょう。
鬼滅の刃5巻43話のネタバレ
過去の過ち
人間だったころの累が、布団の中に座っている。
生まれつき体の弱い累は歩くのさえも苦しく、走ったことがなかった。
そんな累の前にある日鬼舞辻が現れる。
鬼になり強い身体を手に入れたことを、両親は喜ばなかった。
日の光にも当たれず、人を喰わねばならない鬼。
人を殺して食った累を見て、母は泣いた。
昔、川で溺れる我が子を救い死んだ親がいるという話を累は聞いたことがあった。
川で死んだ親は見事に親の役目を果たしたのだと累はその親子愛と絆に感動した。
だが父は鬼になった累を殺そうと刃物を持ち、母は泣くばかりで庇わない。
絆は偽物だったのだと累は失望して、両親を殺した。
血にまみれ息絶える間際、母は丈夫な体に産めなかったことを涙を流しながら累に詫びた。
殺されそうになったことへの怒りで累が理解できていなかったが、累を殺そうとする父は泣きながら「一緒に死んでやる」と言っていたのだった。
罪を共に背負い死のうとしてくれた家族たちとの本物の絆を自ら切ってしまったのだと、累は理解した。
悔やむ累のもとに現れた鬼舞辻は「受け入れなかった親が悪いのだから強さを誇れ」と累に言った。
自分のしてしまったことに耐えられなかった累はそう思うしかなく、鬼として強くなるにつれて次第に人間の頃の記憶さえ消えていき、何がしたかったのかもわからなくなっていった。
炭治郎の方へ歩み寄った頸のない累の体が転んだ。
炭治郎は崩れていくその体から抱えきれないほどの悲しみの匂いを感じた。
背に触れた炭治郎の温かい手を感じて累は謝りたかったことを思い出した。
両親に謝りたい、どうか許してほしいと願っていた。
たくさん人を殺した自分は地獄へ行くから両親とは会えない。
そう思った累の背に、誰かの温かい手が触れる。
いつの間にか何もない空間で座り込んでいた累に、両親は累と同じ場所へ行くといった。
人間の姿へと戻っていく累は、両親の腕の中で泣きながら二人に謝るのだった。
虚しく悲しい生き物
累の体が炭治郎の手の下で崩れて消える。
炭治郎に歩み寄る冨岡は「人を喰った鬼に情けをかけるな」と諫める。
炭治郎は人々のために鬼の首に刃を振るうが、苦しみ悔いている者を踏みつけにすることはしないという。
累の服を踏みつける冨岡に「鬼は同じ人間だったもので、むなしく悲しい生き物だ」と言った。
冨岡は炭治郎と禰豆子を見て、そこで初めて二人が自分が鱗滝の元へ行かせた兄妹であることに気付く。
気配を感じた冨岡は禰豆子を殺すために斬りかかって来たしのぶから二人を守った。
攻撃を冨岡に弾かれたしのぶだが、着地して再び刀を構えなおしていた。
鬼滅の刃5巻43話の扉絵とタイトルの考察
43話の扉絵には悲しい顔をしながらその手の切れた糸を見つめる累が描かれています。
本物の絆の糸を断ち切ったのは自分だと累が気付いたことを現しています。
43話のタイトルは「地獄へ」です。
累は両親が自分を殺そうとしたことに絶望して二人を殺してしまいましたが、自分が鬼になり人を喰らったことが悪かったと本当は分かっていました。
両親は魂になった累をずっと待っていて、謝る累に一緒に地獄へも行くと言ってくれました。
絆を自ら断ち切ってしまったと思っていた累ですが糸は切れていなかったのだとわかりました。
鬼滅の刃5巻43話の名台詞
「父さんと母さんは累と同じところに行くよ」
全てを思い出し両親に謝りたいと願う累ですが、人を殺した自分は地獄へ行くから両親とは会えないと思いました。
そんな累の魂に、両親がかけた言葉です。
二人は累を抱きしめて累は二人の腕の中で謝りながら三人一緒に業火に包まれていきました。
累は切ってしまったと思っていた絆の糸ですが、切れてなどいなかったのだとわかる本当の絆のセリフでした。
鬼滅の刃5巻43話の感想・考察まとめ
とうとう消滅した十二鬼月の累。
炭治郎はそんな累の肩にも優しく手を置きました。
人を殺す鬼を憎む炭治郎ですが、同時に鬼はもともと人間でありむなしく悲しい生き物だと思ってもいることがわかりました。
累はあやとりのような血鬼術を使っていましたが、それはきっと体が弱かった累が生前布団の中であやとりなどの手遊びなどをしていたところからいているのではないでしょうか。
そして累も、鬼になっても両親を喰うために殺すのではなく殺そうとされたことに絶望して殺していました。
十二鬼月になる鬼というのは、やはり普通の鬼とは違い理性も強くコントロールにたけているのかもしれません。
そして炭治郎と禰豆子がかつて自分が鱗滝を紹介した二人だと気づいた冨岡は禰豆子を殺そうとするしのぶから守りました。
炭治郎が鬼を連れている事情はどうやら他の隊士たちに周知されてはいなかったようですが、無事に事情を分かってもらえるのでしょうか?