鬼滅の刃4巻29話「那田蜘蛛山」のネタバレと感想・考察を紹介します。
新たな任務によって那田蜘蛛山を訪れた炭治郎たち。
炭治郎と伊之助は禍々しい匂いの満ちる山の中へと足を踏み入れていきます。
山の中で先に任務にあたっていた隊員に遭遇する炭治郎と伊之助ですが、十人も入山していた隊員たちは突然互いに斬り合いを始めたというのです。
蜘蛛の糸で何を操る鬼。
そして十二鬼月の住む可能性のある那田蜘蛛山には、鬼殺隊”柱”も二人向かうことが決まりました。
鬼滅の刃4巻29話「那田蜘蛛山」の内容を見てみましょう。
鬼滅の刃4巻29話のネタバレ
残された善逸
炭治郎と伊之助が那田蜘蛛山に入山する中、善逸はまだ道端に座り込んでいた。
仲間であるはずの二人が自分を説得することもなく入山してしまったことに、善逸は酷く傷ついている。
置き去りにされた善逸に、善逸の鎹烏である雀が声をかけた。
早く仲間を助けに行こうと雀は言うが、善逸に鳥語が伝わることは無かったのだった。
雀はしびれを切らして善逸の手に噛みつく。
善逸は痛がり、雀に可愛げがないと叫んだ。
鬼の禰豆子がかわいいのに、どうして雀が狂暴なのかと叫びながら炭治郎が禰豆子を背負ったまま入山したことに気付く。
危険な場所に女の子を連れて行った炭治郎に怒りながら、禰豆子の名を叫ぶ善逸は山の中へと走るのだった。
操られる隊員
山中でキリキリという音と共に隊員たちが伊之助と炭治郎に斬りかかってくる。
隊員同士でやりあうのがご法度だと知らない馬鹿だと叫ぶ伊之助だが、炭治郎は隊員たちは操られているのだと叫び返した。
ぶった切ってやると息まく伊之助。
炭治郎はまだ生きている隊士や、その亡骸を傷つけてはいけないというのだった。
否定ばかりされたことに憤慨し、炭治郎に伊之助は思い切り頭突きする。
山で出会った唯一操られていなかった隊員、村田が仲間からの刀を受け止めているとその横から別の隊員が斬りかかろうとする。
叫び声を上げる村田を、炭治郎と善逸は協力し操られる隊員を素手で転がすことで助けるのだった。
その時炭治郎は、操られる隊士の背中から甘い奇妙な香りがすることに気付く。
膝をついた隊員の背のあたりの空気を斬ってみる。
すると何処からか繋がっていた糸が切れ、隊員の体は地面へと倒れたのだ。
隊員たちが背から糸で操られていることに気付いた炭治郎。
そのことを伊之助に伝えれば、自分が先に気付いていたと叫んだ伊之助が次々と糸を断ち切っていく。
戦いながら炭治郎は敵を探した。
注意深く匂いをたどると、一瞬強烈な刺激臭を感じた。
そして鼻を押さえた自らの手を這う二匹の蜘蛛に気付き次の瞬間腕がその糸にひかれた。
素早くその糸を断つ炭治郎。
どうやら人間を操る糸は蜘蛛が繋いでいるのだと気づく。
振り返れば糸を断ち切ったはずの隊員たちには再び糸が繋がれてしまっていた。
糸を切ってもまた蜘蛛が糸を繋いでしまう。
そう叫んだ炭治郎の鼻を、再び風に乗った刺激臭が襲う。
蜘蛛を皆殺しにすればいいかと伊之助は聞くが、蜘蛛は小さく大量にいる。
操っている鬼を探す必要があるが、刺激臭で炭治郎は上手く探せない。
伊之助がもしも何か鬼の一を探る方法を持っていたら協力してもらえるよう炭治郎は頼んだ。
操られる隊員は自分と村田で何とかする。
そう言った炭治郎の背後、空中に張った糸の上に一人の少年の鬼「累」が立っていた。
少年の鬼は自分たち家族の静かな暮らしを邪魔するなという。
炭治郎たちのことは母さんが殺す。
少年の鬼の言葉に、疑問を感じる。
伊之助がその鬼に攻撃をしようと飛び上がるが、空中に張られた糸までその刃は届かない。
少年の鬼は背を向けて去ってしまった。
あの少年の鬼は操り糸の鬼じゃないのだと炭治郎は叫ぶ。
鬼の居場所を探れと言われていた伊之助は、自身の二本の日輪刀を地面へと突き刺すと両手を横へとかざした。
獣の呼吸・漆の型、空間識覚。
荒山育ちで触覚の優れた伊之助は我流の呼吸で研ぎ澄まされたそれを集中で高めて空気の微かな揺らぎを感知することができた。
直接触れていないものでも捉えることのできるその能力によって、伊之助は糸を操る鬼の姿を見つけた。
少年の鬼は空中の糸の上に一人立っている。
あやとりのように手に張った蜘蛛の糸を月に透かす。
家族五人で幸せに暮らす。
誰にも絆は切れないのだと、一人呟いた。
鬼滅の刃4巻29話の扉絵とタイトルの考察
29話の扉絵には蜘蛛の巣の上に立つ子供の足が描かれています。
その足の主が纏う着物の裾には、同じく蜘蛛の巣の模様のようなものが入っています。
29話のタイトルは「那田蜘蛛山」です。
今回遭遇する鬼は、蜘蛛の糸を操るということが示唆されていますね。
鬼滅の刃4巻29話の名台詞
「僕たちの絆は誰にも切れない」
那田蜘蛛山の中に住む鬼の少年のセリフです。
炭治郎たちの家族の絆が描かれてきた物語の中で、鬼がその言葉を口にしたことはとても印象に残りました。
鬼滅の刃4巻29話の感想と考察
基本的に群れないはずの鬼が、少年の言葉が正しければ山の中に五体いるということになります。
鬼が家族で暮らしているというのは一体どういうことなのでしょうか?
鬼を増やすことができるのは鬼舞辻だけのはずですから、鬼同士が子供を成すということは考えられないようにも感じますが…
前話でその姿が描かれた糸を操る女の鬼が、少年の鬼の言う母さんなのでしょうか?
そして潜んでいるかもしれない十二鬼月はどの鬼なのでしょうか。
今のところ、女の鬼の目には数字はなく、少年の鬼の片目にもありません。
隠れているもう片方の目に数字が刻まれているのか、まだ登場していない鬼が十二鬼月だという可能性もありますね。
禰豆子のために遅れて入山した善逸の安否も気になるところです。